うちの店では、フィルムの現像機は破棄したので即日対応はできませんが、フィルムのプリントについては今でもミニラボ機で対応しています。
しかしですね、処理数の減少による部品の劣化で、APS用のキャリアが使えなくなってしまっていました。
でもなんかそれももったいないので、今回のAPSの現像を機会に直してみようと思ったわけです。
はい、こちらがAPS用のキャリア。
35mmに比べると仰々しいです。
なにがダメになってるかといいますと。
赤矢印の磁気情報読み取り部のローラー、
黄矢印のフィルム送り用駆動ローラー、
緑矢印の、フィルム巻き取り用ドラム、
これらのゴムが全て劣化して、グチャグチャになってるんですよ。
おかげでヘッドの方にも
劣化したゴムがくっついてしまってます。
そのせいでちゃんと回らないしフィルムを送れない。
ですので、これらのローラーを直してやれば再起するはず。
話は簡単ですが、結構いたしいんです。
このローラーって、ローラー単体でなく、軸とアッセンブリーなんです。
ですので交換となると軸ごとになって、部品代だけでも数万円とか言っていた気がします。
今更そんなにお金かけれませんので、自分で直そうと言ういつもの話。
て言うか既に部品無いかも。
ではバラしていきましょう。
まずはこのカバーを外して、
見えてるテンショナーを全て外します。
この黄矢印のも。
で、赤矢印のプラスネジを外して、フィルム巻き取りユニットを外しましょう。
ローラーがベタベタになってるので、応急的に紙巻いてます。
紙をはがすとこんな感じ。
ゲル状?
これを全て取り除きます。
では他のローラーも、
裏面のカバーを外して、
この基盤を外して、
赤矢印のカバーも外します。
そしたら、黄、緑、青、の、それぞれの部品を外していきます。
先ほどのカバーを取った下にもローラーがありますので、これらも外します。
ではまずは、赤矢印の独立したローラーを綺麗にしましょうか。
いっこ前の写真の青矢印のところにも同じローラーが入ってます。
ただし、
このローラーは、矢印のネジでヘッドとの位置関係を微調整するようになってますので、バラす前に位置を確認しておくといいでしょう。
こちらが外したローラー。
劣化したゴムを取り除いてクリーニングしておきます。
そしたら次は、ロッドですが、
1本だけ、両端にプーリーが付いているのがありますので、これだけは、ピンを抜いてプーリーを外します。
今回の補修部品はこちら。
太い方は、ホームセンターで測り売りしているシリコンホース。
細い方は、熱帯魚のエアレーション用のシリコンホース。
先ほどのローラーには、太い方を、ロッドの方には細い方を使いました。
ローラー部の幅に適当に合わせてカットしてかぶせます。
ロッドの方につけた状態がこちら。
この作業を全てのローラー部について行います。
出来上がったら組み付けます。
はい、見た感じは良さそうです。
そして、フィルム巻取り部には、
テニスラケット用のグリップのバンド?
これを適当にカットして、両面テープでつけました。
ではちゃんと動くかどうか確認です。
ミニラボ機にセットしたけど反応ありません。
???
あ、もしかしたらずっと使ってなかったから、接点が錆びてるのかも。
と言うことでワイヤーブラシ。
再びセットして、
うん、動作始めました。
フィルムをセットしてみると、
おお、ちゃんと送られてます。
ちゃんと読み取ってます。
ちゃんとプリントできてます。
スキャニングもオッケー。
良かった、直った。
これでいつでもAPSのプリントやデーター化ができますね。
が、需要あるのか?
1. すっ、素晴らしい
Re:すっ、素晴らしい
今回の修理の場合は、手が入らなかったり、手が3本必要だったりするようなこともなく、比較的簡単に直せました。
というよりも、むしろこのキャリアの設計センスが素晴らしいです。
よく考えて設計しています。ミニラボ機フロンティア本体の設計センスとは雲泥の差です。
いい設計のものは修理もしやすいです。
これは、車にもカメラにもいえます。