単焦点レンズって使ってみると結構楽しいもんで、私も普段から単焦点一本を持ち歩いています。
古いレンズにもおもしろいものが色いろあるんですが、やっぱりネックになってくるのは最短撮影距離が少々長いこと。
最近のコンデジなどはレンズ前1cmまで寄れるものとかも少なく有りません。
そんなこともあって、今までに
幾つか最短撮影距離を短くする改造をしてきてますが、今回も行ってみましょうかね。
今回は結構古いレンズです。
ニッコール28mm F2.8。
マニュアルフォーカスです。
そもそもは、ヘリコイドが軽いので重くして欲しいという依頼です。
ヘリコイドを分解するとなると、全部バラすことになりますので、このタイミングで最短撮影距離の改造をするのは都合がいい。
このレンズの最短撮影距離は30cm。
これをどこまで短く出来ますか。
ではまずはマウントから外していきましょう。
5本のプラスネジを外しますが…
どうしても一本取れません。
いくら頑張っても外れません。
しかたがないのでキリで揉んで飛ばします。
赤矢印のところが取れませんでした。
あとで穴開けて、タップ立て直しましょう。
で、マウントを外したら、絞りリングもすぐ取れます。
その先の、黄矢印のリングですが、横から3箇所留めてありますので、そのネジを取れば外れます。
ちなみにですが、このカバーを外してしまいましたが、外す必要は有りません。
では次は前側に。
フォーカスリングのゴムを外して、赤矢印のリングを回して外します。
黄矢印の部分にイモネジが入っているかと思いましたが有りませんでした。
リングが外れたら、ヘリコイドを回してレンズをいっぱい前に持って行きます。
すると、赤矢印のイモネジが見えますので、これを緩めて、前方のリングを黄矢印の方向に回して外します。
そしたら矢印のプラスネジ3本を外してフォーカスリングを外し、
レンズユニットもすっぽり抜き取れます。
ここではレンズを外していますが、特に外す必要は有りません。
ではいよいよヘリコイドの分解に入ります。
まずはヘリコイドを操作して、穴位置にネジを合わせて、矢印の2本のプラスネジを外して、位置決めの部品を外します。
そしたら取り付け位置の確認です。
位置決め部品はなくなっていますが、位置がずれないように無限遠位置に戻して、
そこからヘリコイドを黄矢印のように締め方向に回します。
今回の場合は回転方向に2cmほど締め込めました。
組む時は同じ位置に来るように組み込みます。
そして内側のヘリコイド位置も確認しておきます。
赤矢印の差が、ほぼ無い位置になってます。
こちらも同じ位置になるように組みます。
そしたら全部外します。
内側のヘリコイドを外すには、矢印のイモネジ3箇所を緩めて内側のリングを外します。
というより、外側を回すことになるでしょうか。
それと、矢印のヘリコイドのストッパーも外します。
で、この内側のリングと、このストッパーで回転範囲が決まってますので、
リングの方を削っていきます。
削る部分を間違えないように、
赤矢印の箇所を3mm程残して、あとは削ります。
黄矢印が削ったあと。
一応切り口は塗装しときます。
ではでは、ヘリコイドをクリーニングして、新しいグリスを付けて、組み直しましょう。
ピント調整もしないといけませんが、広角レンズのピント調整はいたしいですね。
はい、組みあがりました。
フォーカスリングをいっぱいに回すと、無限マークを見ての通り、ほぼ一回転近く回るようになっているのがわかると思います。
では、最短撮影距離はどのくらいになったんでしょうか。
ここまで回ればかなり期待できそうですが。
ん?
また23cmですか。
今まで改造したレンズは、どれも23cmになってますよ。
なんでかなぁ?
でもまぁ、前よりはぐっと寄れるようになって使いやすくなりましたね。